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舞鶴風流先づ第一は
古今伝授の幽斎さまよ
残す心の種芽に出でて
今じゃ桜の花ざかり花ざかり
ほんにほんにさ
(以下繰り返し)
のほほんのほい
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2 |
愛宕山には霞みがかかる
袖にゃ別れの涙がかかる
風も懐かしまだ移り香の
消えぬ名残の恋ごろも恋ごろも
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3 |
共に楽しむ桜の宴
夢見心地にひと日を送り
別れともない夕闇小闇
恋の闇路になほ迷うなほ迷う
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4 |
日毎夜ごとの朝代まゐり
恋の願ひもただひとすじに
思ひ詰めればあの賑やかな
祭囃子も胸に染む胸に染む
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5 |
月が浦風吹くともしや
ともに手を取り白糸浜へ
往きて二人の浮名を流す
仇し仇浪浪まくら浪まくら
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6 |
五老ケ岳から港を見れば
憎くや並んだ乙島戸島
思ふまいとは思へどいとど
絶えた逢瀬が歎かるる歎かるる
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7 |
伽羅の匂い崎この黒髪は
恋のともづな出船をつなぐ
往かしともなや身はこのままに
ぽんと打込む捨て錨捨て錨
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8 |
卯月八日の松尾寺まゐり
心の札所をここぞと定め
青葉山道仲よく登る
恋の遍路の二人づれ二人づれ
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9 |
雄島よいとこ水凪ぎ鳥が
今日もまた来てあれ穴を掘る
湧くは色よい情の泉
酌めば若やぐいつまでもいつまでも
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10 |
いさざ恋の魚伊佐津の川の
水と契って育ったからは
それを肴の深酒深酒
酔へば情も深くなる深くなる
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