二ツ橋
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舞鶴の伝説


■ 二ツ橋 ■
※二ツ橋

西舞鶴の日赤病院の近くに架かる橋のお話です。

日赤病院の近くに架かる橋

むかしむかし、余内町内を余内村と呼ばれてた頃のお話です。
田辺城がある城下町から余内村へ、余内村から城下町へと行き来するには、この橋を渡らねばなりませんでした。

ある日のこと、余内村に住む与助さんという人が、田辺城下の親戚の家にお祝い事で出かけていきました。
美味しい料理やお酒に与助さんは夜のふけるのも忘れてしまうほどでした。
暗くなり、ごちそうのお礼もそこそこに帰る事にしました。
いただいたおみやげやごちそうを両手いっぱいにぶら下げて夜道を急ぐ与助さん。

伊佐津川に掛かる橋の所まで来た与助さん。
「今日は飲み過ぎたかなぁ?伊佐津川に架かる橋が二つ見えるぞ。」

与助さんは道を間違えたのかと振り返ってって確認しました。
「いや、道は間違ってないな。」

そう思い、橋を見ると、かすかな月明りで新しい橋が見えます。
ほろ酔い加減の与助さんは新しい橋を渡って帰ろうとしたら、『ズズズゥ〜』っと橋がさがってしまい、与助さんは橋からずり落ちてしまいました。

橋からずり落ちた与助さんは、柔らかい草の上に尻もちをついてしまっていました。
いただいたおみやげは両手に持ったままでしたが、朝早くからの畑仕事とお祝いでいただいたお酒のせいで急に疲れがでたのでしょう。いつのまにか、その場所で眠ってしまいました。
何時間くらい眠っていたのか、かすかに川の流れの音が聞こえてあたりは明るくなってきていました。

与助さんは目をこすりながら辺りを見回すと、野良仕事に向かう人が見えました。
「朝になってしまったな。」と足もとを見ると、昨晩にいただいたごちそうがばら撒かれていました。
与助さんは立ち上がろうとしましたが腰が痛くてなかなか立ち上がることができないので、仕方なく土手を這うようにして道まで上がりましたが、はかまも着物も泥だらけ。

ちょうどそこへ与助さんの知っている町の魚屋さんが通りかかりました。
魚屋さんは与助さんにたずねました。
「与助さん、もしかして橋が二つに見えたのではないですか?」

与助さんは答えました。
「そうなんです。新しい橋が出来てたので渡ろうとしたらずり落ちてしまいました。」

魚屋さんはこう言いました。
「それはキツネの仕業だね。つい先日も村の人がだまされてたよ。」

魚屋さんはそう言ながら土手から与助さんを引き上げ、荷車にのせて家まで送ってくれました。

この話が広まってから、余内村のが夜歩きするときには、着物の袖に石を入れていき、橋が二つに見えた時には石を投げる事にしたそうです。
「コン!」と音のする方が本当の橋で、音のしない方の橋はキツネ夫婦の橋なので渡らないようになったそうです。

この橋の近くに住むキツネの仕業で、ごちそうをお供えしない人はだまされたそうで、何時の頃からか『二ツ橋』と呼ばれるようになりました。
現在でも、この橋の名前は『二ツ橋』と呼ばれています。

日赤病院の近くに架かる橋

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