長池(桑飼)
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舞鶴の伝説


■ 長池(桑飼) ■
※長池(桑飼)

長池(桑飼)

 むかし、岡田上の村役場があった宇谷というところの近くに泥沼がありました。大むかしは由良川がこのあたりから桑飼下の上池、下池へと続いて、岡田下村の志高の長池の方に向かって流れていたらしい。これらの池の中で一番長いのは上池で、むかしから一度も池の水をかい出したことがなく、村の古老たちは「この上池は底なし沼だ。」と言っておった。

 ある日の午後、子ども達が大勢で由良川で水遊びをしておりました。そこに悪賢い地主の息子がやって来て「今から上池に魚釣りに行くぞ!」と誘いました。そして好きな子供たちの五人だけ連れて上池に向かいました。みんなで釣りを始めましたが、五人の子供たちはたくさんの鯉やギギが連れましたが、地主の息子はまったく釣れませんでした。

 地主の息子は、良く釣れている子供と無理やり釣る場所を変わらせました。すると地主の息子の竿に大きな鯉がかかりました。鯉は釣られてなるものかとグングンと引っ張って逃げようとします。地主の息子も負けてはいません。大きな鯉を釣り上げてやるぞと竿を引き寄せようとした時、足場がすべって池の中にはまってしまいました。池の中にはまってしまった地主の息子の姿が見えないので、子ども達は急いで村の人に地主の息子が上池にはまった事を知らせました。村中が大騒動となり、地主は村人たちを指図して地主の息子を探しましたが見つけることができませんでした。

 地主はあることを思い出しました。「息子には万が一の事を考えて、腰にひょうたんをぶら下げていたはずだ。だから沈む事は無いはずだ。」それからも村人たちは上池の水の中も潜って毎日探しましたが見つける事が出来ませんでした。池の底には大きな渦が巻いている所があったのでどうしてもわからなかったのです。

 地主の息子が上池にはまってから一か月ほど経ったころ、地主の息子がはまった上池から少し離れた志高の長池にひょうたんが浮かんだ。 そのひょうたんは間違いなく地主の息子が腰にぶら下げていたひょうたんでした。

 上池でおぼれた子供の腰にぶら下げていたひょうたんが、志高の長池に浮き上がった不思議な話は、村から村へと伝わって行きました。それからは誰ということもなく「桑飼の底なし沼と、志高の長池とは底が繋がっている」と伝えられてきているそうです。

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