島崎稲荷(竹屋)
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舞鶴の伝説


■ 島崎稲荷(竹屋) ■
※島崎稲荷(竹屋)

島崎稲荷(竹屋)

 西舞鶴の島崎にある竹蔵の北に領主の船小屋がありました。この辺りに久しく住んでいる年老いた狐がおりました。この船小屋をねぐらにしておりましたが、小屋がたまたま他所に移転する事になったので、この狐は住むところが無くなったために、昨日は東、今日は西というようにあちこち転々としておりました。

 ある日、竹屋町に住む甚兵衛という猟師の息子の彦右衛門と彦兵衛が猟に出ました。明け方この島崎に船をつけてタバコを吸って一服した後、二人はしばらくのあいだ眠ることにしました。目を覚ますと二人とも少し風邪気味だったので、自宅に戻って寝る事にしようと思い急いで帰りました。それから十日ほど療養したころには兄の彦右衛門は全快しましたが、弟の彦兵衛は重体となり難儀しておりました。

 なかなか全快しないので、心配した付添いの人たちがみんなで相談し、弟の彦兵衛を祈祷してもらいました。すると彦兵衛は苦しみながらもしゃべり出しました。
「自分は島崎に住む太郎三郎という老狐である。住むところが無くなってしまったので、やむをえず風邪と共にこの男に乗り移ってこの家に来た。自分を除こうと思えば新田崎に柴の庵を建て隠居所にして欲しい。そうしたらここを出て、病人も全快するよう堅く約束する。」と言ったのです。

 このことをすぐさま役所に届け出て、柴の庵を建てたところ、重体だった弟の彦兵衛の病気はたちまち快方に向かいました。 その後、宝暦三年本山へ御位を願い出たところ、正一位稲荷大明神の神号を贈られ、公儀からは敷地などを下されて、以後毎年六月六日の夜祭りは大いに賑わっています。

島崎稲荷(竹屋)

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