サルの話(大山・水ケ浦)
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舞鶴の伝説


■ サルの話(大山・水ケ浦) ■
※サルの話(大山・水ケ浦)

舞鶴市の大浦地区にある田井(たい)は、むかし田井村(たいむら)と呼ばれていました。その田井村の東、水ケ浦と呼ばれる地域のお話です。

水ヶ浦の場所

むかしむかし、水ケ浦の地域ではサルの被害に悩まされておりました。サルに悩まされていた村人たちは相談し、山王様を氏神様としてお祭りして助けてもらおうと考えました。
※山王様とは、山王権現といいサルを召使いにしている神様です。

言い伝えでは、毎年節分の夜に村の美しい娘をひとり選び『人身御供(ひとみごくう)』として山王様に供えましたが、真夜中になるとサル達が娘を連れ去ってしまい、連れ去られた娘はどうなったのか誰もわかりません。
それに村人たちが一生懸命に作った農作物までもサル達に荒らされ村人たちは本当に困り果てていました。
こんな事では、殿様に年貢も納める事が出来ないと困り果てた水ケ浦の村人たちは話し合い、年貢を減らしてもらうように殿様にお願いしようと決め、田井村の寄合いで話をしました。
しかし田井村の村人や庄屋さんは「年貢を減らせなどという訴えを出せば役人にこっぴどく叱られる。」という理由で賛成はしませんでした。

困り果てた水ケ浦の村人たちは、田井村から話をしてもらえないなら、水ケ浦の村人が直々にお願いする直訴を考えました。
当時、御殿様にお願いをするには厳しい手順が決まりとしてありました。
百姓たちの願い事は、庄屋から大庄屋に、大庄屋から藩のお役人に、そこから偉いお役人に取り次いでもらって最後に御殿様に届くというものです。どこかで誰かが反対したりすれば百姓たちの願いは御殿様には届きません。
こういった順番を守らず直接に偉いお役人や御殿様に願い事を差し出す直訴はもってのほか。直訴は重い罪になるのです。

水ケ浦の村人たちは、田井村の村人や庄屋さんの反対を押し切って直訴をしようとしました。
田井村の村人や庄屋さんは、何とか直訴を止めさせようとしましたが、水ケ浦の村人たちは聞く耳を持ちません。
とうとう寄合の場から水ケ浦の村人たちは飛び出して田井村の大橋の上で直訴の願書を書きました。
そして直訴を決行した水ケ浦の村人たち。

この直訴は成功し、水ケ浦の村人たちの願いも聞き届けられました。
田井村の大川から東にある田畑は年貢を減らしてもらうことになり、水ケ浦の年貢は馬の餌である飼葉(カイバ)だけを納めるだけでよいという事になったそうです。

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